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佐瀨専務理事のロシア・カザフスタン訪問

JCCPでは、将来の石油・エネルギー供給源として、旧ソ連諸国との関係強化に取り組んでいますが、平成20年度の日本の原油輸入量では、ロシアは既に中東に続き第6位に位置しており、サウジアラビアに肩を並べる産油国であると同時に世界第1位の産ガス国となっています。
平成21年10月22日、カザフスタン共和国の首都アスタナで「第1回日本カザフスタン経済官民合同協議会」が開催され、出席する機会を得ました。この機会を捉えて、佐瀨専務理事がロシア及びカザフスタンを訪問し、主要カウンターパートのトップマネージメントと政策対話を行いました。旧ソ連圏諸国に対するトップマネージメントの政策対話は、平成6年以来15年振りの実施となりました。


1. ロシア訪問


(1) ルークオイル(LUKOIL Co.)

ルークオイル本社

ルークオイル本社

平成3年のロシア連邦誕生以来498名の研修生がJCCPを訪れており、その内ルークオイルからは140名の研修生を受け入れています。
平成20年の9月中旬には、ルークオイルのニズニー・ノボゴルド製油所において「製油所の省エネルギー」のカスタマイズド研修(CPO)を開催し、その約2 週間後の10月初旬には、同じテーマで日本での研修を実施しています。このようにロシア最大の石油会社であるルークオイルとは、近年特に良好な関係が築かれています。
10月19日ルークオイル本社を訪問し、ピクトビートフ副総裁・人事部長(Mr. Pikhtovikov Yuri, Deputy Director and GM of Human Resources Dept)、及びアントン精製副部長(Mr. Antonov Mikhail, Depty Head Global Refi ning)、その他の方々と会談しました。
ルークオイルは、最近西ヨーロッパに他社と共同出資で2ヵ所の製油所を購入しました。このような海外展開で大型投資が拡大しており、これらのプロジェクトを確実に遂行することが経営課題となっています。
このため精製部門では、技術と経済の両方のバランスの取れた専門家が必要となっており、その人材育成が現在の課題となっています。具体的には、市場調査を実施し、必要とされる製品を得る精製装置の組み合わせを考える技術力を持ち、そのプロジェクトからもたらされる経済効果を算出できる能力を要求されます。アントン精製副部長から、「海外プロジェクト遂行及び技術・経済の専門家育成という大きな目標達成の為にJCCPには今後も更なる協力を期待しています」とお話がありました。
佐瀨専務理事からは、「トップ会談で相互交流と意見交換を継続して行いお互いの要望を出して常に新しい相互理解や方向性を定めていく事が重要と考えています」、「JCCPでは、石油製品の高付加価値化に焦点を当て、技術交流をしたいと考えていますが、今回の要請も日本にとっては経験のある分野なので是非協力致したい」と回答しました。


(2) ロスネフチ(ROSNEFT OIL Co.)

ロスネフチ本社マモキン副総裁と(左より3 番目)

ロスネフチ本社マモキン副総裁と(左より3 番目)

10月19日ロスネフチ本社を訪問しました。マモキン精製部門副総裁(Mr. Dmitriy N. Mamonkin, Deputy Director of Refining Dept.) 及びソロビキ人事課長(Mrs. Tamara G. Solovykh, Head of personnel development HR Dept.)他に迎えられ「昨年迄の日本での研修は大変有意義で感謝しています」との冒頭のご挨拶を頂き、「製油所は急激に変化しており、今後の研修の要求として、製油所を取り巻く変化の中でも京都議定書を重要なテーマとして、環境管理と省エネルギーに関心があります」とのお話でした。
また、社内の職員を製油所レベル/中間層レベル/トップマネージメントレベルと3 階層に区別し、教育したいとのご意見でした。
更に「弊社は、新製油所建設計画や上流部門も重視しており、引き続きサハリンプロジェクトも控えています。
JCCPとは現在検討中のロスネフチ向けカスタマイズド研修(CPJ)とともに内容や時期などにつき、他の研修主題も検討するので、今後一層の協力を期待しています」と纏められました。


(3) 在ロシア日本国大使館
10月19日午後、在ロシア日本国大使館を訪問し、宮川経済部公使、豊島経済部書記官と会談しました。
佐瀨専務理事から、今回の訪問の目的並びにJCCPの事業の現況について説明し、今後のサポートをお願いしました。
宮川公使からは、ロシア経済の近況と見通しにつき大変参考となる説明を受けました。ロシアの景気は2009年の夏が底で回復の兆しにあること、2012 年APEC がウラジオストックで予定されていること、そして極東・東シベリアの開発協力が主題であることです。
ロシアは資源以外に技術力を身につけるため日本に期待している旨、説明されました。


2. カザフスタン訪問


(1) CDB・OGI(JSC“Central dispatching board ofoil and gas industry”)

CDB・OGI ツレバエブ社長と (正面)

CDB・OGI ツレバエブ社長と (正面)

カザフスタンは1500万人の人口が日本の7倍の国土に暮らしています。エネルギー資源と鉱物資源に恵まれた資源大国で石油埋蔵量は世界の3.2%、天然ガス埋蔵量は世界の1.1%(2009年BP統計)を占め、レアメタルを含む豊富な鉱物資源を有しています。
今後重要な資源供給国になる事が期待され、日本も各種の資源開発に参加しています。JCCPでも中断がありましたが、平成5年より平成20年度までに165名の研修生を受け入れており、旧ソ連圏では、ロシアに次いで2番目に研修生の受け入れが多い国です。
CDB・OGI は、石油・ガス業界の内外動向を分析しエネルギー・資源省に報告する機関であり、またこの業界の規格や標準化を行っています。
10月21日、CDB・OGI でツレバエブ社長(Mr.Yerbol Tulebaev:President)、アスカット取締役(Mr. Khassenov Askhat:Director of Technical Regulation)に面談しました。
平成21年9月にカスタマイズド研修(CPO)開催をカザフスタンで企画していましたが、双方の都合が付かず中止となりました。冒頭ツレバエブ社長より本件に関して遺憾の意を示され「次年度に是非セミナーを実施してほしい」と要望が出されました。JCCPは、「両者のタイミングが合えば喜んで協力したい」と返事をしました。引き続きツレバエブ社長より、「同国は平成21年から27年にかけて石油製品規格をユーロ2,3から4,5に合うように各製油所の拡張工事や近代化工事のプロジェクトを予定しており、技術の進歩に合わせた研修が必要なので今後ともJCCP に協力をお願いしたい」と依頼がありました。


(2)カズムナイガス(JSC NC “KazMunayGas”)

カズムナイガス ティエソフ取締役と(正面)

カズムナイガス ティエソフ取締役と(正面)

カズムナイガスは、カザフスタン共和国政府100%出資の国営石油・ガス企業であり同国のエネルギー政策のもとで石油・ガス関連事業を上流から下流まで一元的に実施しています。近年は石油・ガス分野の発展をもとに目覚しい経済成長を遂げており石油・ガス開発の中心である同社は今後も各種事業展開を実施する方針であり日本企業にとっても関心が高まっています。
10月21日同社を訪問し、ティエソフ石油精製販売常務取締役(Mr. Daniyar Tiyessov, Managing Director, Oil Processing and Marketing)、ツガノフ同副取締役(Mr. Zhanbolt Zh. Tuganov, Deputy Director of oil processing)、アイラット人事部副取締役(Mr. Airat Shaanov, Deputy Director, HR Dept.)他JCCP卒業生を交えて会談しました。
ティエソフ常務取締役より、「JCCPとの長い協力関係と援助に対し大変感謝している。同社のエンジニアをJCCPに送り、その後多くの日本企業と協力し仕事を行う良い関係が出来ており将来とも多くのエンジニアを派遣したい」と話されました。
同社は製油所の近代化を積極的に行っており、省エネルギーやTPM、安全を主体とした人材育成のセミナーを要請する旨の依頼がありました。
佐瀨専務理事より、「これからもカズムナイガスとの関係を強化したいので、多くの研修生を送ってほしい。また、要望や問題点があればJCCP で検討し、研修や技術協力で貢献したい」と返事をしました。


(3) 第1回日本カザフスタン経済官民合同協議会

合同協議会マガウオフ次官 (正面)

合同協議会マガウオフ次官 (正面)

10月22日アスタナの外務省会議場で行われた表題の会議に出席する機会を得ました。
同会議は、平成20年ナザルバエフ大統領訪日の際に、当時の福田首相との間で貿易・投資拡大に向けた環境整備や経済分野の協力を包括的に協議する「官民合同の枠組み」の構築につき合意されたことに基づき、開催されました。
開会の挨拶として、マガウオフ・エネルギー鉱物資源エネルギー省次官(Mr. Magauov A. Maratavich,Vice Minister)より、「石油、鉄、医療、機械分野の他にIT分野に力を入れているので日本の協力を期待する」とのお話がありました。
また、日本側から、石毛経済産業審議官(協議会議長)より、「日本は高い信頼性を有する各種技術力がありお互いに協力しあう事が重要です。また貿易・投資促進には、人脈・信頼関係が必要であり本会議をスタートラインにしたい」と挨拶されました。
JCCPにとって、本会議に出席できる機会を得たことは、大変に有意義なものとなりました。
このような会議は、事業対象国の官民両者に接触する良い機会であり、今後ともこの様な会議は新たな国へのアプローチに際し活用が望まれます。
ロシアで1日、カザフスタンで1.5日の訪問で各国の石油ダウンストリーム部門の責任者の方々に会い、改めて友好関係を確認するとともに、今後のJCCPに対して貴重なご意見を伺うことも出来ました。
これまでJCCPで蓄積した信頼関係を基に、更に研修・技術協力の事業を充実していきたいと考えています。


(研修部 久保田 哲司)