平成18年度の専務理事ミッションにおけるKuwait National Petroleum Company(KNPC) Mr. Sami Al-Rushaid(当時会長)との政策議論の中で、先方より、KNPCに特化したテーラーメード研修(ES(専門家派遣)/ ST(日本での研修))に強い関心が寄せられました。これを契機に、4月には、この研修を推し進めるべくプロモーションチームが発足され、先方窓口責任者と打ち合わせを持ち、その結果、APC及び省エネルギーに関するセミナー実施(ES)を要望されました。7月には先方の担当者を日本に招聘し、さらに詳細な打ち合わせを行い、KNPCの要望に以下の通り対応することとしました。クウェートへの本格的な専門家派遣は約20年ぶりであり、昨今の中東に対する戦略的な事業展開が実を結んだものとなりました。
去る10月20日から10月29日までJCCPのExpert Service(専門家派遣)活動の一環でクウェートを訪問しました。国営石油精製会社Kuwait National Petroleum Co.(KNPC)のエンジニアを対象に4日間のセミナーを開催し、3製油所から13名の参加をえて「製油所の省エネルギー」についてプレゼンテーションしました。JCCP研修部からレクチャラーの佐竹と高橋、それに専門家として日揮から青山尚人氏、コスモグループから井上剛氏に同行頂きました。
アラブスタイルにあわせ、毎日昼飯抜きで午前8時から午後2時までというスケジュールで実施しましたが、研修の集中力が切れないのでこれも悪くありません。セミナー初日は「JCCP紹介」「日本の石油産業」「日本の代替エネルギー事情」「製油所の省エネルギー概論」、2日目は「製油所の省エネ1」「ピンチテクノロジー」それに先方からの「KNPCの省エネ活動」報告があり、3日目は「製油所の省エネ2」「最新の日本のエネルギー戦略」「省エネ新技術」、最終日の4日目は「製油所のIPP」「用役の最適化」「省エネの評価と推進組織」「省エネルギーのためのコンピューターによる高度制御」の4講義がありました。最終日午後の閉講式には人材開発部Waleed Al-Hamad副部長, Ali Abdullah課長ほかの出席のもと、参加者の皆さんに日本から持参したJCCPの終了証書を贈呈し記念写真をとりました。この場でJCCPとKNPCのセミナー感想アンケートを行いましたが、さいわい評判は大変よいものとなりました。セミナー前にはKPCの研修センター、セミナー後にはKNPCの製油所の1つMina Abdullah製油所を訪問し先方の担当部門の方々と情報交換する機会もありました。
今回はKNPC人材開発部門のすばらしいアレンジのおかげで、メールによる事前の資料送付による印刷準備をはじめ、参加者リスト、当日の詳細スケジュールなども事前に知ることができて心配なくセミナーにのぞむことができました。現地に着いてからの先方の対応も大変親切で準備も行き届いており、セミナーは成功裡に終了することができました。また初日から最終日まで、空港の送迎・各所への移動について各種の応援を頂き、我々4名は安心して研修に集中することができました。短時間ながらセミナーの2日目と閉講式には在クウェート大使館の浦田1等書記官に出席頂いたので、我々の意気も上がりましたし先方にも喜ばれたことでした。来年2月には同じKNPCエンジニア向けに日本での実地研修を主体とした省エネコースも予定されており、石油資源の豊富な中東諸国の1つであるクウェートとこのようにいろいろ技術交流の機会を持てることをうれしく思います。

本社オフィスにて

セミナー風景

修了証書授与

セミナー参加者と
平成19年10月28日(日)から31日(水)の間、新日本石油(株)の西岡様、日揮(株)の野口様の協力を得て、JCCPの仁藤、三枝の4人でクウェートを訪問し、KNPC本社および3製油所に近い瀟洒なリゾートホテルを会場として、プロセス制御(APC; Advanced Process Control)をテーマにセミナーを開催しました。
直轄コースの制御コースには、KNPCからも参加しており、高度制御が導入されていることは承知していましたので、日本とクウェート両者の経験、実践を共有する場とすることに重点をおくプログラムとしました。具体的には、両国製油所の事例紹介、開発・導入・メンテナンス・教育等に関する質疑応答、そして現在、制御の主流となっているMPC(モデル予測制御)の解説とプロジェクトを実施する上でのキーポイントなどをカリキュラムの中心としました。
セミナーにはKNPC配下3製油所(Mina Al-Ahmadi, Mina Abdulla, Shuaiba)から、APC、計装、運転、技術サービス担当のエンジニアが13名参加しました。各エンジニアとも多忙のようで、フルにはアテンドできず、5-7名程度の方が討議に加わりました。両国ともAPCの導入実績は多く、多様な装置に適用され大きな成果を上げていることを確認できました。日本では開発担当者の異動に伴ってメンテナンスが疎かになる課題を抱えておりますが、クウェート側ではそのような問題はないとのことでした。インド人等の優秀エンジニアが各所に配置されており、この種の問題を解決しているように見受けられました。
セミナー全体としては、制御に関する基礎的な質問から性状推定の技術に関する質問まで幅広い質疑応答が行われ双方にとって有意義な技術交流となりました。
セミナー終了翌日にはMina Al-Ahmadi製油所を訪問しました。Mr. Mohammad Al-Mutairi(Manager Operations)の司会の下、同製油所の歴史や、運転に関するトレーニングシステム(マニュアルの統一的管理、あらゆる非常時を想定した対応訓練等)の説明を受けました。その後、所内を案内していただきました。広大な敷地に数多くの装置が稼動していました。装置内はキチンと整理、清掃され、油やスチームのリークも見受けられませんでした。装置や配管に錆なども見られずきれいに管理されていました。拡張プロジェクトも計画されているようですが、まだまだ広大な空き地があり、この面での心配は全くありません。当日はKNPCの新会長就任式で多忙であったにも拘らずMr. Asa’ad Al-Saad(Deputy Managing Director)も挨拶に来られ昼食にもお付き合いしていただきました。午後にはKPCのトレーニングセンター(PTC: Petroleum Training Center)も訪問できました。Mr. Fouzi Al-Qassar(Team Leader General Training)から研修概要の説明を受けました。ここも巨大な建物で、KPC傘下全社を対象に、360種のプログラムを用意し、各社からの要望に対応しているとのことでした。
なお、セミナーを含めて全体の運営はMr. Ali Abdullah(Team Leader Career Development)と所属スタッフに負うところ大で、特にMs. Haifa Al-Youha(Specialist, Career Development)にはアテンドしていただき、お蔭様で全てのプログラムを支障なく遂行できました。




