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サウジアラビアにおける「製油所保全管理セミナー」の開催

サウジアラムコ各製油所からのセミナー参加者(修了式にて)

サウジアラムコ各製油所からのセミナー参加者(修了式にて)


実施に至る経緯

サウジアラビアは言うまでもなく世界最大の原油生産国(約1,100万バレル/日、2006年BP統計)であり、かつ又ガワール油田の原油埋蔵量は世界最大級と言われており今後においても原油供給者としてのサウジアラビア国営石油会社(Saudi Arabian Oil Company、以下「サウジアラムコ(Saudi Aramco)」と呼ぶ)の存在が世界の原油市場において如何に巨大であるかが理解されます。更に我が国の原油総輸入量に占めるサウジアラビア原油の割合は近年30%(年間約7291万KL、2006年資源エネルギー庁統計) に達し最大供給国の位置を占めております。

このように我が国の原油安定供給にとって最も重要性が増してきている相手国のサウジアラビアではありますが直轄専門家派遣において1988年以降は残念ながら二十年近くにわたり実施されてきませんでした。昨年1月の小島専務理事とアルカヤル副社長との政策対話においてサウジアラムコにおいてテーラーメード研修を進める方向付けがなされました。これを受けてJCCP窓口であるマジード氏が本年度7月のJCCPプログラムセミナーに参加した機会に本件を討議した結果、先方より製油所保全管理セミナーの要請があり平成20年2月28日~3月7日の期間で開催されました。

日本からの派遣メンバーの構成はJCCP研修部(宮脇・東・中澤・刀禰の各レクチャラー)及び外部専門家(藤沢氏、新日本造機呉製作所)の合計5名で各担当テーマについて講義を行いました。

なお今回のセミナー特記事項として小島専務理事のサウジアラムコ訪問でセミナー会場におけるスピーチが行われたこともあり、JCCP事業の意義やサウジアラムコとの協調関係の重要性を再認識してもらう上でも又とない良い機会となりました。


記念品交換

記念品交換(右がラスタヌラ製油所長のオメール氏、左がメンテナンス部門長のカムファール氏)

セミナーの概要

今回のセミナーが開催されたラスタヌラ製油所は、サウジアラビア東海岸に位置しているサウジアラムコ最大の製油所です。世界屈指の大油田として知られるガワール油田からの原油の積出港として世界にその名を知られており日本向け原油積出タンカーもラスタヌラ港から日本に向かっていることは周知のとおりです。

セミナー会場はラスタヌラ製油所に近い人材開発部門の建物の中にありセミナーにはサウジアラビア西海岸を含めて5製油所から22人が参加しました。セミナー全般に関連して準備段階含め諸事万端の世話役としてマジード氏に種々協力してもらいました。

また今回のセミナー会場は一般の市街地とは隔離された広大な半島の先端部分に位置しているナジマ基地の一角にあり日本から派遣された講師の滞在場所も簡素ではあるものの整備が行き届いていることで実に清潔で快適な居住環境といえる設備でした。JCCP講師始めセミナー参加者全員の受入準備、ID手続きほか事務処理がてきぱきと行われセミナーの進行も所期スケジュールに沿って順調に行われ予定どおりの目的を達成することができました。


セミナー内容

当初の計画では実施テーマ3項目(3日間)という提案内容でしたが、事前協議において製油所メンテナンス部門トップのカムファール氏からの強い希望により主要回転機診断・保全・修理技術及び製油所安全管理の2テーマ(2日間)が急遽追加されたことを受けて外部講師選任などの調整を行いました。セミナー協力先への依頼・人選を経て各テーマの講師手配も完了したことから再編成後の最終スケジュールとしては正味5日間(セミナー期間延長)が無事確保できたことは何よりの幸いでした。

セミナーは以下のように各テーマについて5日間に渡って行われました。

  • 第1日目 製油所回転機保全管理
  • 第2日目 主要回転機診断・保全・修理技術
  • 第3日目 製油所保全管理
  • 第4日目 製油所静機器保全管理
  • 第5日目 製油所安全管理

セミナー

それぞれのテーマ毎に各講師が日本での技術改良・改善成果など豊富な経験に基づいて講義を実施し、これに対して参加者からも熱心な質疑が行われ実り多い内容となりました。本セミナーの聴講を通じて参加者が習得した日本の製油所のTPM活動ほか各種改善事例が、生きた知識としてサウジアラムコ各製油所の今後の改善に活かされることが期待されます。
最終日のアンケート結果では受講者全員から将来日本での直轄受入研修に参加したいという希望が出されJCCP事業の将来にとっても明るい材料となりました。


セミナーの評価・感想

約20年ぶりのJCCP直轄専門化派遣セミナー開催ということもありサウジアラムコとの事前調整・準備作業を進めていく中で、先方の直接窓口として終始適切なフォローをしていただいたラスタヌラ製油所メンテナンス部門長でもあるカムファール氏(前出)及びセミナー窓口のマジード氏(前出)から貴重な助言・協力が得られたことが本セミナー成功にとって最大の支えとなったことに心より感謝します。

また本セミナーと同時期にラスタヌラ製油所において小島専務理事と製油所トップとの面談が実現したこと、セミナー会場で直接に専務理事メッセージが伝えられてセミナー参加者のモティベーションが高まったこと、及びJCCP事業をサウジアラムコの中枢とも言えるラスタヌラ製油所においてPRする上で最良のタイミングであったこと等、本年度実施された全プログラムの最終を飾るにふさわしい内容となりました。

このように本セミナーがJCCP事業の歴史に残る新たな一頁を付け加えることが出来たことは当センターの未来にとって明るい兆しであると言えます。その意味で本セミナーの成功が今後のカスタマイズド研修の更なる発展につながっていくことを期待したいと思います。

最後に本セミナーの計画・実施の各段階で種々協力いただきました全ての皆様に深甚なる謝意を表して結びとします。

以上